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インターバル

第弐拾八話〜第弐拾九話
龍泉寺
【犬神】
俺がどうしてこんなところにいるのか気になっているようだな。
だが、面食らうのはまだ早いぞ。何せ、お前たちが戻ってきたら、俺が手習いの指導をするんだからな。
どうだ、嬉しいだろう?
嬉しい 【犬神】ふッ、それがお前の本心ならば、望みどおりにしごいてやらんとな。覚悟しておけよ。
嬉しくない 【犬神】ははははは、そうまでいわれては俺も容赦はできんな。覚悟しておけよ。
どちらともいえない 【犬神】
ははははは、まったく正直な奴だな。
安心しろ。俺は時諏佐より優しいからな。
死なない程度にしごいてやる。覚悟しておけよ。

【犬神】
そういう訳だ。五体満足でとはいわんが、とにかくは戻って来い。
せっかく生まれた食い扶持に、ありつく前に消えてもらっては困るのでな。

河原

【武流】
こ、こんにちは。すいません、おいらぼうッとしてたみたいで・・・。
川を、見てたんです。この川・・・。
おいらずっと、この川を見て育ちました。この川から遠くはなれて暮らした事なんてありません。
だから・・・、またきっと、この川へ戻って来れますよね?

戻って来れる 【武流】
は・・・はいッ!!あの、ありがとうございます・・・。
おいら一人じゃ・・・、ちょっと自信もてなくて、でも、あなたのおかげで頑張れそうな気がしてきました。
信じる気持ちはきっと、強い力になります。だから・・・、頑張りましょうねッ。
戻れないかもしれない 【武流】
・・・・・・。駄目ですよ、そんなんじゃ・・・。帰ってこれるって信じなきゃ。
信じる事は力になります、それだけは・・・本当です。
だから・・・、あなたも、信じましょうよ・・・。・・・・・・。
どちらともいえない 【武流】
・・・わかってます。危険なところに行くんだって、おいらだって、わかってるんです。
でもおいらは信じていたいんです。必ず、戻ってこれるって・・・。・・・・・・。
【武流】それじゃ、おいらはそろそろ帰ります。あなたも気を付けて帰ってくださいね。さようならッ。
吉原
【十郎太】
いよッ。なあ、ちょいと聞いてくれよ。
吉原への届けモンが最後の仕事だったんだけどよ、顔見知りの姐さんから、文を届けてくれって頼まれちまった。
けどちょいと遠くなんでな、また今度な―――って断っちまった。
また今度、で・・・、大丈夫だよな?
大丈夫だと思う 【十郎太】
そうか・・・、そ、そうだよなッ!!富士から帰ってきてから、いくらでも届けてやりゃいいもんなッ。
いや〜、あんたがそういってくれてよかったぜ。せーんきゅー!!
それじゃあ俺ァ、そろそろ戻るぜッ。あんたもいつまでも遊んでんじゃねえぞッ。
あばよッ―――。
駄目だと思う 【十郎太】
え・・・、そ、そうか・・・?それって、今届けてやらねェと、二度と機会はねェって事だよな!?
や、やっぱり富士ってのは、そんなにやべェところなのか・・・。・・・・・・。
どちらともいえない 【十郎太】あんた・・・。それってもしかして・・・、富士に行ったら、もう二度と帰っては来れねェかもしれねェって事か・・・?

【十郎太】
こ・・・、こうしちゃいられねェッ!!その前にまだやらなきゃいけねェ事がいっぱい残ってらァッ!!
ま、まずは姐さんの文を届けて、っと・・・、それから次は・・・、うおおおお、こうしちゃいられねェぜッ!!
あばよッ!!

【支奴】
やれやれ、相変わらず騒がしい男ですねえ。
こんちまたまた。あんたもこんなところに用事がおありで?
あちきはここでこれから稼ぎ時なんでねえ。これでも店を回って道具を直したりするんですよ。
それに、ちょいとした発明が売り物になる事もあるし・・・、何てったってここは、火に群がる蛾みたいに、提灯の明かりに人が群がってくる場所ですからねえ。
で、あんたも提灯の火に誘われたクチですか?

その通り 【支奴】あはははは、素直ですねえ、あんた。ま、いいんですよ。ここはそういう場所なんですから。
違う 【支奴】おやおや、それじゃ何か別に目的があって来たってんですね?それならあちきと一緒ですねえ。
どちらともいえない 【支奴】あはははは、まったく行き当たりばったりなお人ですねえ。まあ、それがあんたの面白いところなのかもしれませんけど。
【支奴】
それじゃ、あちきはそろそろ行きますよ。
そうそう、蛾ってのは、明かりが好きすぎて、知らず、その内に飛び込んで、焼け死んでしまうもんです。
あんたも我を忘れて火傷しないようにお気をつけなさい。
では、ごきげんよう―――。
如月骨董品店
【奈涸】
やあ、君か。良いところにきてくれた。
しばらく店を留守にしなくてはならないからな。どうしようか、悩んでいたところだ。
君はどの案がいいと思う?
誰かに店番を頼む 【奈涸】俺もできればそうしたかったんだが・・・、考えれば考えるほど、この大事な店を誰に託せばいいのかわからなくてな。
丈夫な鍵をかける 【奈涸】
やはりそれしかないか・・・。
品物の事を考えると、店を閉めたままというのは気が進まないんだが、そうもいってられないだろうしな・・・。
幻術で店番を作る 【奈涸】
そう、それがいいと俺も思っていた。
だがな、幻術は所詮、めくらまし。さすがに鑑定や物々交換まではな・・・。
やはり戻ってきたらこの術の研究を重ねるとしよう。

【涼浬】ふふ、まだ悩んでいたんですか、兄上?
【奈涸】笑い事ではないぞ、涼浬。俺たちの大事な店のことだからな。
【涼浬】
承知しております。兄上らしいと申し上げたのです。
それにこの店は、いまや私にとっても掛け替えのないもの・・・。
人とは不思議なものですね。あなたと初めて会った頃は、商売をする事など思ってもみませんでした。
それが今は、この生活がずっと続けばいいと―――、そう・・・思うのです。
これは・・・、おかしい事なのでしょうか・・・。

おかしい

【涼浬】やはり忍の私に普通の生活など、似合わないと・・・?・・・・・・。

おかしくない 【涼浬】
ありがとうございます・・・。
ここは私がようやく手に入れた安息の場所・・・。今は何より、大切に護りたい場所なのです。
どちらともいえない 【涼浬】
そうですね・・・。
今のままではただ、逃げているにすぎない。兄上の事も私自身の事も、里へ戻って解決しなければならない。
そう・・・ですよね。
【奈涸】・・・・・・。涼浬、そろそろ一服しよう。君も急ぎでないならゆっくりしていくといい。
【涼浬】あ・・・、では、今お茶を淹れますね。ご贔屓のお客様からいただいたお茶菓子がありますから、あなたも、上がっていってください。では―――。
長屋
長屋前
【梅月】
うーむ・・・。・・・ん?
やあ。ちょうど良かった。君の意見をきかせてくれ。
富士へ持っていく短冊の柄の事なんだが・・・、君はどれがいいと思う?
無地の短冊 【梅月】
そうだな・・・。
決戦の地は見渡す限りの白銀、霊峰富士だ。余計な装飾など無用なだけかもしれない。
しかし雲模様は一番使い慣れたものだからな・・・。ここは半々ずつ、持っていく事にしよう。
ありがとう。君に相談してよかったよ。
金箔装飾の短冊 【梅月】
ふむ、確かに持ってはいるが、あまり使った事がないな。
誰かにもらったきり、しまいこんであるものだし、あまり華美なものは、霊峰にそぐわない気がするな。
すまない。やはり僕は雲模様にするよ。
雲模様の短冊 【梅月】
そうだな。やはり使い慣れたものがいい。雲文様は一番ありきたりな短冊だが、それだけに思い入れもある。
ありがとう。君に相談してよかったよ。
【梅月】では、早速仕度にかかるとしよう。それじゃ、失礼するよ―――。
道場
【京梧】
よおッ。お前も鍛錬か?今日は珍しい奴も来てるしな。
それにしても、ここは本当に色んな奴がいるぜ。
俺も少し打ち合ってみたが・・・、さすがに三大道場は伊達じゃねェな。
北辰一刀流、鏡新明智流、それと、神道無念流・・・。俗にいう、技は千葉、位は桃井、力は斎藤―――って奴だ。
お前はこの中でどれが一番強いと思う?
技の北辰一刀流 【京梧】
そうだなァ・・・。
だが北辰一刀流の基本姿勢は一人でも多い門人を早く上達させ、ある程度の腕前まで引き上げる事だっていうぜ?
それに開祖の千葉周作の思想としては、人を斬るためではない剣術を―――、って事だったらしいから、この動乱を勝ち上がる強さを持つには、ちょいと足りねェんじゃねェかな。
位の鏡新明智流 【京梧】
う〜ん・・・。
まあ、町人なんかに対しても分け隔てなく門戸を開いてたから、人気があるのは確かだよな。
開祖も師範代も、あまり強かったって話は聞かねェし・・・、けど、位―――つまり、風格をもって相手を闘わずして威圧するのを、奥義としていたってところには、俺も多少、感銘を受けたけどな。
力の神道無念流 【京梧】
ふふん、そうきたか。
神道無念流は新陰流系ともいえる。その極意は《人心鏡の如し》―――。
相手に対して、自然な対応を返す無念無想の境地を目指すって奴だな。
こいつを会得するにはなにより、不屈の努力と鍛錬、それから―――、生まれ持った才能が少なからず必要だって話だ。
こいつを本気で極めた奴がいるとしたらちょいと手強いかもしれねェな。
【京梧】―――と、ついくどくど説明しちまった。すまねェな。
【九桐】あはははは、お前は本当に剣に五月蝿い男だな。
【京梧】ちッ、お前にはいわれたくねェよ。
【九桐】まあそう拗ねるなよ。これは誉めてるんだから。
よう。やはり道場とはいいものだな。俺も存分に槍の振るい甲斐があるというものだ。
まあ、さっきの蓬莱寺の話じゃないが、俺も少々、気になっている事はある。
俺の持つ槍と、蓬莱寺の刀、それからお前の拳―――、お前は、武器として一番強いのはどれだと思う?
【九桐】
そうだな・・・。槍は確かに突く威力は高いし、遠方にいる相手にも有効だ。
だけど、懐に飛び込まれるといささか弱いといえるかな。
【九桐】
ああ、確かにな。刀は斬り払うにも突くにも優れていて、小回りも効く。
だが刀身が長いって事は、それだけ折れやすいともいえる。それに多人数を相手に長く闘えば切れ味も鈍る。
そういう弱点は捨てきれないないのも確かだな。
【九桐】
あはははは。実にお前らしい答えだな。ましてやお前ほどの拳になれば距離の遠近も問わない。
お前にとってはまさに最強の武器という事か。
【京梧】うーむ、そうなるとどうにも俺たち三人は三竦みって感じだな。いい機会だし、三人で手合わせしてみるか?
【九桐】お、そいつはなかなかいい案だな。よし、お前も付き合え。
【京梧】へへへ・・・、んじゃあ―――、行くぜッ!!
織部神社

【雄慶】
よお。必勝祈願にでも来たか?
いよいよ富士行きだな・・・。実は俺も登るのは初めてでな。
だが霊峰と呼ばれるのは決して富士だけではないぞ。
他にも霊峰と呼ばれる山がある事をお前は知っているか?

知っている 【雄慶】
ほう、さすがだな。
神仏がおわし、道を求めるものが崇める山こそが霊峰―――。
俺が修行を積んだ高野山や、天台宗の比叡山もまた、霊峰と呼ばれる山だからな。
知らない 【雄慶】
ははは、まあそれも仕方のない事か。
俺が修行を積んだ高野山や、天台宗の比叡山も霊峰だ。
まあ、お前にはあまり関係のない話だろうがな。

【雄慶】
それじゃあ俺はここの神主殿と少し話があるのでな。
お前もせっかく来たんだ。神頼みの一つもして行くといい。それじゃあな。

【劉】
あッ―――、ネイホウッ。お前も神様にお参りか?
俺、頑張ってこの国の神様全部に挨拶して回ろうと思ってたんだけど、数が多すぎて吃驚だよ!!
俺の国にも神様はいっぱいいるけどさ、もしかしたらもっとずっと多いかもしれないな・・・。
お前はこの国に、どれくらい神様がいるか知ってるか?

知っている 【劉】
本当か!?俺もさっき聞いたんだよ。この国には八百万の神様がいるって・・・。
 呀・・・、一日、三十人に挨拶したとして、・・・一体、何日かかるんだ!?
あァ、頭が痛くなって来た・・・。
知らない 【劉】
やっぱりそうなのか・・・。そりゃ、こんなにいたら覚えきれないよな。
確か、八百万とかって聞いたけど・・・、俺、本当に全部挨拶できるかな・・・。

【劉】おっと、こうしちゃいられない。次に行かなくちゃな!!一陣見!!

茶屋

【們天丸】
よッ、あんさんかッ。
・・・なんかなあ、ぼーっと景色見とったんや。そしたら喉が渇いてしもてな。ははは・・・。
・・・・・・。なあ、今は見えへんが、夕陽っちゅうんは―――、どこで見ても一緒に見えるもんよな。
のうなってもうたからかも知れへんが、ほんま、夕陽はええもんや。
あんたは夕陽、好きか?

好き 【們天丸】
ほんまか?わいも、めっちゃ好きやで。
山のてっぺんの木の上から町にかかる夕陽なんて、そりゃもうめちゃめちゃ綺麗で、胸の奥、きゅーってなるで〜?
嫌い 【們天丸】
そおか・・・。
けど、山のてっぺんの木の上から町にかかる夕陽を見たりしたら、あんたかてきっと、いっぺんで好きになる思うけどな〜。
どちらともいえない 【們天丸】
なんや、どっちかわからんで〜?
山のてっぺんの木の上から町にかかる夕陽を見たりしたら、あんたかてきっと、いっぺんで好きになるやろな〜。

【們天丸】
・・・・・・。・・・はあ。ほんのちょっとだけ、鞍馬山が恋しゅうなったわ。
ま、今はそないなこというてる場合やないけどなッ。
は〜、とりあえずは、双羅山にでも帰るとしよ。ほな、これで〜。またなッ。
【花音】
よぐ来たの〜、おめさん。今日はこの店での最後の日だから、色んな人が来てくれて嬉しいだ〜。
おら、この店の旦那さんからお暇をいただくことになっただ。それに、用事が終わったらまたここで働いてもいいって・・・。
おら、本当に幸せもんだあ〜。
だから・・・、なあ、おめさん?来年のお正月には、ここで一緒にお汁粉食べようなあ?

一緒に食べる 【花音】
・・・あるがっと、おめさん。
あはは、これで何が何でも正月までにゃ、帰ってこなくちゃなんねえだな〜。
遠慮する 【花音】
そ・・・そっだら寂しい事いわないでけろ・・・。
じゃ、じゃあ、お汁粉はなしでもいい。それでも、何が何でも・・・、無事に帰って来ような?
どちらともいえない 【花音】
そ・・・、そっだら事いったら駄目だ!!
だったらお汁粉はなしでもいいから・・・、それでも、何が何でも・・・、無事に帰って来ような?

【花音】それじゃおら、まだまだ仕事中だで・・・、おめさんは、ゆっくりしてってけろ。へば、さいなら〜。

【小鈴】
あッ。おッす!!キミも来てたんだねッ。
へへ、今日はねえ、早めに道場を切り上げてきたんだ。こんな風にお茶するのもいいかなーっと思ってさ。
【葛乃】
あはは、そういやあたいもこんなのは久しぶりだよ。
神社の仕事と道場の鍛錬の往復で一日はほとんど終わりだからねえ。
【美冬】・・・・・・。わ、私もだ・・・。
【小鈴】
ほんとはさ、このくらいの時刻には綺麗な夕焼けが見れるはずだよね。なのに、今日も空は一面真っ黒い雲だらけ・・・。
キミは、こういう空見てると、なんか・・・寂しくなっちゃわない?

寂しくなる 【小鈴】
うん・・・ボクもだよ。時々なんだか、泣きたいくらい寂しくなっちゃう事もある。
こんな風に、別れを前にしてる時だと特にね・・・。
えへへ、でも今はみんなと一緒だからそんなことないけどねッ。
寂しくならない 【小鈴】
ふ〜ん、そっかあ・・・。
ボクはね、なんか駄目なんだよなあ。時々なんだか、泣きたいくらい寂しくなっちゃう事もあるよ。
どちらともいえない 【小鈴】
う〜ん、あんまりそういう事、感じない?
ボクは青空を見れば、気持ち良いなー、今日も頑張るぞー、って思うし、こんな空の下じゃ、やっぱり寂しくなったりするよ。

【小鈴】はあ・・・、なんか切ないなあ〜。よし、こんな時は甘い物でも食べて元気出そうッ!!
【葛乃】おいおい、そういってさっきから一体、何皿食べてんだい。
【小鈴】え・・・?そ、それはその・・・。
【葛乃】
まあ、嬢ちゃんはしみったれた事いってるより、そうやって元気にしてる方がよっぽど似合ってるけどね。
なあ、あんた。こんな風にさ―――、友達同士でわいわいやるのは本当にいいモンだね?

皆と一緒が良い 【葛乃】
ああ、こういう時間も大事なんだよな。
一人の方がいい時もある。だけど―――、気のおけない友達と一緒の方がいい時もある。
そうだろう?
一人が良い 【葛乃】
おや、そうなのかい!?あたしゃてっきり、あんたもそうかと思ってたよ。
一人の方がいい時もある。だけど―――、気のおけない友達と一緒の方がいい時もある。
そんなもんじゃないかい?
どちらともいえない 【葛乃】
あはは、難しく考えるような事じゃないだろ?
一人の方がいい時もある。だけど―――、気のおけない友達と一緒の方がいい時もある。
それだけの事さ。

【美冬】
ふッ、そうだな・・・。こんな私とて、今は不思議なほど心が軽い。
ただ・・・お、女同士でこういう場所に入るのは、その、初めてなので・・・、戸惑う事ばかりなのだが・・・。
【小鈴】じゃ、美冬サンも一緒にお団子頼もうよッ。ここのお団子、おいしいんだよ?
【美冬】わ、私は別にっ、甘い物などは・・・、・・・・・・。お前はいつも茶屋では何を頼むのだ?

団子 【美冬】お前もそうなのか!?うむ・・・、やはり頼むべきなのか・・・。
饅頭 【美冬】そ、そうか・・・。私はその、甘い物はあまり、な・・・。
茶のみ 【美冬】そうか、良かった・・・。とりあえずお前と同じならお、おかしい事はないよな?
【小鈴】
もうッ、とにかくお団子だってば!!キミもそこ座って!!今、頼むからねッ。
すいませ〜ん、こっちお団子とお茶みっつ〜!!
【店の娘】あい、ただいま〜。
【美冬】こ、こら、桜井ッ、私はまだ―――、
【小鈴】いいからいいからッ。 あ、葛乃は?
【葛乃】・・・あたしゃもう茶だけで十分だよ。
【小鈴】ええ〜!?みんな、小食なんだから〜。
【美冬】・・・・・・。

内藤新宿
【桔梗】
おや、あんたかい。買い出しに来たはいいけど、すごい混雑でねえ。
世の中が不安定だっていったって、やっぱり人ってのは元気なもんさ。とくにこんな年末にはね。
・・・ねえ。あたしらの村もいつかは―――、こんな風に屈託なく笑える活気のある場所になると思うかい?
思う 【桔梗】
どうもありがとう。あんたがそういってくれて嬉しいよ。
いつかきっと、そんな日が来ると―――、最近は、そんな事ばかり考えるようになったよ。
思わない 【桔梗】
そうだね、傷跡はそんなに簡単に消えるもんじゃない。
だけどいつかそんな日が来ればいいと―――、あたしは思ってるのさ。
どちらともいえない 【桔梗】そうだね・・・。はたしてこれからどうなっていくかは―――、結局のところ、あたしたち次第なんだよね。
【桔梗】さて、と・・・、どうやら別働隊が戻ってきたようだ。
【風祭】
ひっでえよ、桔梗。俺ばっか重い物買いに行かせて―――、よう、なんだ、いたのか。
まったく、この寒いのにどいつもこいつも―――、よくあんなに薄着でいられるぜ。
着込まないのが粋とかいうけど、そんなの何か変だよな?
【風祭】そうだよなあ。そんな風に見栄張って風邪ひいたんじゃ阿呆らしいよなッ。
変ではない 【風祭】けどさあ、そんなのタダのやせ我慢だろ?見栄張って風邪ひいたんじゃ意味ないと思うけどな。
どちらともいえない 【風祭】何だよ、はっきりしねェなあ。大体、見栄張って風邪ひいたんじゃ意味ないだろ?
【弥勒】
ん―――?君か。こんなところで会うとはな。
今日は世話になっている卸し先にしばらく休むといってきた。だが俺がいないと困ると散々説得されてな・・・。
君も俺がいないと困るか?
困る 【弥勒】
そうか・・・。ならばやはり、俺も富士へ共に行かねばならんだろう。
何、面などどこでも彫れる。それよりも今の俺には、君に手を貸してやる事の方が大切だろう。
困らない 【弥勒】そうか・・・。ならば俺は今までどおり、小屋で面を彫るだけだ。
どちらともいえない 【弥勒】
こういう事は、はっきりいってもらわなくてはわからん。
まあ、君が俺を必要としていないなら、俺は俺を必要としている他の場所へ行くだけだが。
【弥勒】では、まだ他にも行く場所があるのでな。じゃ、俺は行くぞ。またな―――。
広場
【美里】
あ・・・。今ね、村の方に話を聞いていたところなの。
ここは整った治療所が無いし、人々の間にも不安が広まっていると思って。
元気に笑いかけてくれる子供達もいるのだけど・・・。やっぱり不安ね。
この村のために何か・・・、わたしにもできる事があるわよね?
ある 【美里】ありがとう、そういってくれて。私は私にできる事を、まずは一生懸命頑張ってみようと思うの。
ない 【美里】で、でも・・・、・・・・・・。
どちらともいえない 【美里】でも・・・、
【美里】たとえ今はわからなくても、私はそれを探していきたい。本当に・・・、そう思っているのよ。
【九角】・・・まったく、本当に物好きな女だな。
【美里】九角さん・・・。
【九角】
村の者もその不安を打ち消そうと年越しの用意で忙しくしている。お前も手が空いているなら、手伝ってやってくれ。煤払いや大掃除で、どこも手一杯だからな。
もうすぐ今年も終わりだ。俺たちの長い闘いの終わった年―――、最後の戦いを迎えるにはいっそ相応しい時期ともいえるだろう?
いえる 【九角】うむ。すべてを無事片付けて、新たな心意気で―――、この村で新しい年を向かえる事が出来ればいいと思う。
いえない 【九角】そうか・・・。お前にならばわかってもらえると思ったのだが・・・仕方ない。
どちらともいえない 【九角】そうか・・・。まあ、感じ方は人それぞれだ。無理に俺に合わせる事もない。
【九角】俺はまだ回らねばならぬ場所があるので行くぞ。じゃあな―――。
【美里】私ももう少し、村の人の様子を見に行ってくるわ。それじゃ、またね―――。
見張り櫓
【火邑】
よう、お前か。
最近、めっきりご無沙汰だよな、お天道様。
お天道様ってな、すごく熱いらしいぜ。ものすげェ火の波が、ぐらぐらと燃え上がってるんだとさ。
はァ・・・、一度でいいから、行ってみてェよな?
行きたい 【火邑】だろォ?お天道様の炎と俺様の炎とどっちが上か・・・、一度でいいから勝負してみてェッ!!
行きたくない 【火邑】
あーッはッはッはッ、まあ、それもしょうがねェか。
お前が行ったところで丸焦げになっちまうのがオチだな。
俺様はお天道様にこの俺様の炎が通用するか、試してみてェのさッ。
どちらともいえない 【火邑】なんだ、ああして真っ赤に燃えてるお天道様を見て、燃えてこねェか?かァ〜、わかってねェな、お前はッ。
【火邑】ま、もしも俺様があそこまで行けたら、土産にお天道様の欠片でも拾ってきてやるからよ。楽しみにしてろよッ。
夜氏之杜
【壬生】
お前か・・・。
前々から気になっていたんだが、社の御神体の鏡がひどく曇っていてな。今ちょうど磨き終わって戻したところだ。
御神体が汚れているというのも、あまり気分のいい話ではないし、ましてや曇った鏡を崇めたのでは、先行きも不安というもの。
こういうものは綺麗に磨いておくに限るだろう?
綺麗な方がいい

【壬生】
ああ、綺麗な方が祈る気持ちも清廉になるというもの。それに俺はどうも、汚いものをそのままにしておけないようだ。
これも体質なのだろうか・・・。

汚いままでいい 【壬生】
それは手を触れない方がいいという事か?
だがな・・・、汚いものをそのままにしておくのは俺にはどうも耐えがたい。
これも体質なのだろうか・・・。
どちらともいえない 【壬生】
そうか・・・。お前は細かい事にはあまりこだわらないのだな。
俺はどうにも、汚いものをそのままにはできない性格のようだ。

【壬生】
さて、せっかく綺麗に掃除したんだ。お前も手くらい合わせていけ。
俺たちが進むべき道も、この鏡のように、一点の曇りなく澄み切っている事を祈ろう―――。

双羅山
【真那】
こんにちはァ。
へへへ、うちな、今日はずっと考えてたんや。全部終わって色々落ち着いたら、真由とこの山に住むのもええかなって。
山は空気も綺麗やし、食べ物かてぎょうさんある。ここなら真由の病気も、早う治るかもしれへん。
ええ考えやと思うやろ?
いい考え 【真那】
そうか!!やっぱりそう思うんか!!
そら町も好きやで。ええ人もぎょうさんおるし。けど、やっぱり山はええと思うんや。
山がなんとなく懐かしゅう感じられるのは、やっぱりうちらが山に捨てられとったからかもしれへんなあ。
間違っている 【真那】そ、そないに断言せんでも・・・。ウチはええ考えやと思うたんやけどなァ・・・。
どちらともいえない 【真那】
そら・・・、心配事もいくつかあるで。特にこんな寒い季節はな・・・。
とにかく真由とも相談せんといかんしなッ。
【真那】ほな、うちはそろそろ帰らんと。今日は真由とおいしいもん食べよて約束してるんやッ。ほななー。

【泰山】
よお〜。
あんれ、真那はもう帰っぢまっだがあ?せっかく菓子もらっで来だのになあ・・・。
まあ、今度渡じでやるがあ〜。
そうだ。おめ、もう旅の支度はしだがあ?
おでもそろそろしねえどいげねんだ。けど、旅なんでしだ事ねがら、何持っで行げばいいが、わがんね。
なあ。ごの中で、必要な物っであるがあ〜?

切り株 【泰山】
おでのお気に入りの切り株だ〜。ごれは座り心地がええど〜。これがあれば、どこでも一休みでぎるじな〜。
やっばりごれは必要があ〜。
【泰山】
い、岩はやっばりいるな。
ごれがあれば、高いどごろにも登れるし、悪い奴をやっづける事もできるど〜。
【泰山】
ぞ、ぞうだな、ごれは必要だあ〜。これがねえど、おで、何にもでぎねえしなあ〜。
うん、おめえのいう通りだ。おめえ〜、いい奴だなあ〜、
【泰山】やっばりおめえは頼りになるなあ〜。その調子でもうじょっど手伝ってくれ〜。ええど・・・、じゃあ次は―――。
礼拝堂
【御神槌】
これは―――。
ふふふ、昨日、面白い事があったんですよ。読んでいた本の間から植物の種が出てきたんです。
恐らくは花の種でしょうから、裏庭に蒔いてみようと思いまして。
この種が芽吹き、美しい花を咲かせる頃にはきっと―――、私たちはこの村に、帰って来ていますよね?
帰って来ている 【御神槌】ええ。私たちが命を賭して強大な敵に立ち向かう間にも、この種はその内に力強い生命を育む事でしょう。新しい夜明けを迎えるために・・・。
無理 【御神槌】そのように、悲観的になってはいけません。私と一緒に信じてください。必ず―――、ここに帰ってこれると。
わからない 【御神槌】
そうですね・・・。
私たちが立ち向かおうとしているものは、それほどに強大です。ですが、だからこそ―――、貴方も私と一緒に信じてください。
必ず、ここに戻れると―――。

【御神槌】それでは私はちょっと行ってきます。よかったらゆっくりしていってくださいね。では、またお会いしましょう―――。

【クリス】
Oh―――、Hello。これを見てくれないか?オリガミのツルさ。ホノカに教わったんだ。
綺麗だろう?オレも、ナカナカ上手くできたと思って。
今は、チョウドこの鳥の季節なのだとも教えてもらったよ。
オレはいつかこの鳥を、自分の目で見たいと思うんだ。オレは・・・、見に・・・行けるよな?

見に行ける 【クリス】
そうか・・・。そう・・・だな。
HAHAHA、オレとした事が何だか弱気になってたみたいだ。
よし、そうと決まれば、絶対、見に行くぜッ!!良かったら、キミも一緒に行こうッ。
無理 【クリス】
そうか・・・。イヤ、こんな話は良くないな。気分が沈んでしまう。
Sorry。キミは気にしないでくれ。
わからない 【クリス】
マダ分からない・・・。確かに、そうかもしれない。
でも単純な事だってイイんだ。何かに強い執着を持っていれば、案外、生き残れるものさ。

【クリス】さて、せっかく上手くできたんだし、神父御神槌にも見せてこよう。Bye。またッ!!
【ほのか】
うふふ、クリスさんが気に入ってくれてよかった。昨日、子供たちと一緒に作っていたら自分もやってみたいとおっしゃって。
みんなでたくさん作って繋げると、本当に綺麗なんですよ。祈りを込めて、一羽一羽折るんです・・・。
私には、大した事はできません。でも―――、今はこの村の―――、この国の平和のために、祈りたいんです・・・。
あなたも一緒に祈ってくれますか・・・?

一緒に祈る 【ほのか】
ありがとうございます。とっても・・・嬉しいです。
祈りはきっと天にいらっしゃる主に届きます。そして主を信じる想いこそが力になるんです。
あなたに神のご加護がありますように・・・。さあ、ともに祈りましょう―――。
断る 【ほのか】
そう・・・ですか。いいんです、無理にとはいえません。主に手を合わせるかどうかは、その人の自由ですし・・・。
それじゃあ、私、行きますね。失礼します―――。
【ほのか】ああ、江戸の町におられる隠れ切支丹の皆さんも、ここに招く事ができたなら、どんなに良い事でしょうか・・・。アーメン・・・。
民家
雹の屋敷
【雹】
おお、そなたか。旅に出ねばならぬとの事でな、わらわも支度をしておった。
ガンリュウの整備道具に、ガンリュウの清掃用具に、ガンリュウの糸の替えに、ガンリュウの刀の研ぎ石、それから、ガンリュウの―――、どれもこれもガンリュウの荷物ばかりじゃ。
そなたは、おかしいと思うかえ?
おかしい 【雹】
ほほほ、そうであろうな。わらわの荷物など、ほんの少ししかない。
じゃがどちらにせよ持つのはガンリュウじゃからの。
まあ、更にそれを持つのがわらわじゃともいえるが・・・、・・・・・・。
おかしくない 【雹】
そうじゃな、ガンリュウは誰より大きい。その分、荷物が多いのはある意味当たり前のことかも知れぬ。
ましてやガンリュウは、人よりずっと手間のかかる奴じゃからのう。
よくわからない 【雹】まあどちらにせよ持つのはガンリュウじゃからの。後で何かが足りなくて苦労するよりは持っていった方がいいじゃろう。

【雹】さて、わらわはまだ支度が残っておるのでな。ではまた―――。

九角屋敷

【比良坂】
あ・・・、旅の支度をしておくようにいわれて、どうしようかと考えていたんです。
だって、わたしは・・・、何も持っていく物がないんです・・・。
あなたには、たくさんありますか?

たくさんある 【比良坂】そうですか・・・。それじゃあ、荷造りが大変ですね。
何もない 【比良坂】
ふふ、あなたもですか?
わたしは・・・自分だけの大切な物を持ったことがないから、何も・・・ないんです。
でも本当に大切な物は、この胸の中にちゃんとあるし、それに、荷物が少ない方が旅上手だっていうんですよ。
少しだけ 【比良坂】
そうですよね、必要なものだってあるし・・・。
わたしは・・・自分だけの大切な物を持ったことがないから、何も・・・ないんです。
・・・・・・。

【比良坂】それじゃ、わたしはもう行きますね。さようなら―――。